2017年12月23日土曜日

病理診断を学ぶ 〜 消化管

2022/01/01 掲載されている本について情報をアップデートしました.
2021/05/05 掲載されている本について情報をアップデートしました.
* 消化管病理の本は全体的にあまりアップデートはされていないようです.WHO blue book が 2019 年に出版されているため,それを反映した本が出てくる可能性はあります.

消化管病理の本は正直言うと日本の本がよく書けている.わからないことがあれば J-Stage や医中誌辺りで検索をすればわかりやすい総説がたくさんある.そのことを前提にした上で洋書を中心に紹介していく.少なくともどどたん先生が読んだことがある本のみを提示しているので,重要な本でも抜けているものがあるのは了承してほしいところ.

Digestive System Tumours (World Health Organization Classification of Tumours) (2019)

WHO は基本.最近改訂されており比較的参照しやすい.

Fenoglio-Preiser's Gastrointestinal Pathology (2017)

消化管病理学では大御所の本.細かい病変についてもよく書けている.あとは他の本も同様だが,日本の基準と欧米の基準とは違うことがある(特に癌の基準)ため,その基準をそのまま当てはめるとなかなか難しいことがある.

Morson and Dawson's Gastrointestinal Pathology (2013)

Fenoglio-Preiser's とほぼ同様の立ち位置の本.同じ項目について 2 冊読み比べてみたけれど,書いてある内容はどちらもほぼ同様.

Non-Neoplastic Disorders of the Gastrointestinal Tract (AFIP Atlases of Tumor and Non-Tumor Pathology, Series 5) (2021)

AFIP の評価は高くて一定しているが,その中でも非腫瘍性病変のシリーズは他に本がなかなかない上で貴重.特に消化管生検は非腫瘍性病変も結構多いので,細かい病変を調べる時に有用(2021 の 5th series はまだ見ていない).

箇条書きスタイルで有名な Amirsys (現在は Elsevier) の消化管シリーズ.全体的によく書けていると思うけれども,イマイチ網羅性に欠ける印象.

Odze and Goldblum Surgical Pathology of the GI Tract, Liver, Biliary Tract and Pancreas (2022)

この本は消化管だけではなく,肝胆膵も入っているためお得.どれか一冊と言われると,この本を購入するのも良いかと思われる.

臨床に活かす病理診断学 第3版: 消化管・肝胆膵編 (2018)

これらの本はどちらかというと入門的な本.消化管病理は病理診断の基本であるため,こういう本から導入するのも悪くはない選択肢である.


この本は読んだことがないのだが,新しい本ということで一応取り上げた.非腫瘍性疾患に関する本.


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